一般社団法人日本森林医学会会員の皆様
師走の候、会員の皆様におかれましてますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
一般社団法人日本森林医学会を代表してホームページの開設に向けてご挨拶申し上げます。
森林を訪れることで、ストレスが減り、生活習慣病やがんのリスクが減り、より活動的になり、よりリラックスし、より健康になる方法を教えてくれる新しい医学を想像してみてください。この新しい医学が森林医学です。森林医学は、森林環境が人間の健康に与える影響を研究する学問で、代替医療、環境医学、予防医学の分野に属する新しい学際的な科学です。森林医学は、森林浴・森林セラピーから発展してきた新しい予防医学です。森林浴という概念は、1982年に林野庁より提唱され、2004年から本格的に森林浴の健康増進と疾病予防効果に関する研究を開始して今年で丁度20周年になりました。この20年間において多く科学的な研究成果を得て以下の森林浴効果が科学的に証明され、「森林医学」が確立されました。
この記念すべき節目の年に一般社団法人日本森林医学会のホームページを開設することはできて大変嬉しく思います。日本森林医学会は、2023年4月11日に一般社団法人として正式に承認され、2024年5月11日~12日に日本医科大学同窓会館にて第1回日本森林医学会学術総会が開催されました。日本森林医学会は日本国内の学会ですが、近年日本から発祥した森林浴・森林医学が国際的に広がりによってこの第1回学術総会にはドイツから18名、中国大陸から10名、中国台湾から4人(8人が学術総会に間に合わず、13日に日本医科大学に来て李卿会長の追加講義を受けた)、日本国内から75名の森林医学研究者及び森林セラピー関係者が参加して国際学会となりました。ここに会長として改めて参加者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後、森林医学は一部の生活習慣病(うつ病、高血圧症、睡眠障害など)に対して新しい予防医学として、臨床医学及びリハビリテーション医学への応用も期待されています。また本学会の最終目標は森林医学の臨床医学及びリハビリテーション医学への応用です。将来、医師が一部の患者さんに対して「薬」を処方せず、「森」を処方し、森林医学の保険適用を目指していきたいと思います。
この目標を実現するために今後は国際自然・森林医学会(INFOM)、日本衛生学会森林医学研究会及びNPO法人森林セラピーソサエティなどの関連学会・団体と連携して森林医学のさらなる発展を目指していきたい所存です。